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西村 昭彦
Trends in Vacuum Science & Technology, Vol.4, p.55 - 60, 2001/00
原研におけるレーザー研究は近年大きな変化の流れにある。5年前には原研で原子法レーザー同位体分離法のための波長可変レーザー開発に力が注がれていた。しかし、現在ではコヒーレントなX線発生が重要となった。ここでは、初めに原子法レーザー同位体分離法における波長可変レーザーの応用について、特に基礎研究における応用例について著者の成果を紹介する。続いて、現在、関西研究所で行っている研究として、飽和フルエンスの高いレーザー媒質を用いた超高出力レーザーに関する要素技術開発について、これまでの成果を述べる。著者の研究テーマの変遷は、原研のレーザー研究そのものの大きな流れの変化である。
大図 章; 鈴木 庸氏; 丸山 庸一郎; 有澤 孝
Applied Physics Letters, 76(14), p.1822 - 1824, 2000/04
被引用回数:7 パーセンタイル:35.15(Physics, Applied)原子法レーザー同位体分離のレーザー誘起プラズマからのイオン回収過程では、イオンを電極上に高速で回収することが重要となる。これを行うためには通常高電圧を必要とする。しかし、回収に費やす電力の増加とスパッタリングの増大を引き起こしやすくなる。高電圧が必要な理由は、レーザー誘起プラズマが低温のためである。低電圧でイオンを高速で回収するために、高周波でプラズマを加熱し回収する方法を開発した。その結果、回収時間を通常の3分の1にまで短縮することができた。さらに、高周波の入力、周波数に対するイオン回収速度の依存性をも調べることができた。
大図 章; 鈴木 庸氏; 丸山 庸一郎; 有澤 孝
Physics of Plasmas, 7(2), p.770 - 772, 2000/02
被引用回数:4 パーセンタイル:14.53(Physics, Fluids & Plasmas)原子法レーザー同位体分離のレーザー誘起プラズマからのイオン回収過程では、イオンを電極上に回収することが重要となる。これを行うために電極に印加する電圧は、高電圧が必要となる。しかし、高電圧の回収には、電力コストの増大とスパッタリングの増加の問題が出てくる。レーザー誘起プラズマからイオンを高速に回収するために高電圧が必要な理由は、そのプラズマが低温であるためである。イオン回収は、プラズマの電子温度に大きく依存する。低電圧で効率良くイオン回収を行うためにレーザー誘起プラズマを高周波電場で加熱してプラズマ中の電子温度を増加させる試験を行った。その結果、電子温度は通常の約3倍に増加することがわかった。
大図 章; 加藤 政明; 丸山 庸一郎; 有澤 孝
Review of Scientific Instruments, 70(11), p.4174 - 4177, 1999/11
被引用回数:1 パーセンタイル:20.55(Instruments & Instrumentation)銅蒸気レーザーは、原子法レーザー同位体分離及びレーザー加工等に使用することが考えられている。このレーザーは、発振繰り返し数が数kHzと高く、パルス幅も約100ns以下と短い。このためレーザーパルスが共振器内を往復する回数が少ないためにレーザーパルスのビーム拡がりが大きく、レーザーパルスを集光して利用する場合にその効率が悪くなる。これを解決するために通常注入同期方式と呼ばれる2つのレーザー装置を使用する方法を用いている。この方式では、ひとつのレーザーパルスを片方のレーザー共振器内にレーザーパルスが形成される前に入射してレーザーパルスのビーム拡がりを小さくするものである。この方式を改良して、1つのレーザー装置で二重放電を行って初期のレーザーパルスを発生し注入同期方式を実現することができた。その結果、従来の方式と同様のビーム拡がりを得ることができた。
柴田 猛順; 小倉 浩一
JAERI-Research 99-008, 10 Pages, 1999/02
共鳴イオン化により生成したネオジムプラズマに高周波電圧を印加して、イオンを引き出し、そのエネルギーを飛行時間法により測定した。回収電極に2MHz、振幅140Vの高周波電圧を印加したときのイオンエネルギーは54~65eVで、この値は高周波平行平板放電の解析値とほぼ一致した。これにより、原子法レーザー同位体分離で、高周波電圧印加により回収時間を短くできるだけでなく、回収イオンのエネルギーも低くできることが確認できた。
大場 弘則; 雨川 和博; 柴田 猛順
JAERI-Research 98-011, 18 Pages, 1998/03
原子法レーザーウラン濃縮における蒸発基礎データ取得試験の効率化を図るため、電子ビーム加熱で生成したウラン蒸気の諸特性値をレーザー光吸収法を用いて同時に測定する手法を考案した。ウラン蒸気中に複数のスリットを設け、レーザー光を浸透させて基底状態のウラン原子の吸収スペクトルを測定した。測定された吸収スペクトルから、蒸発角度分布、基底準位原子密度、蒸気速度及び蒸気流並進温度を求めた。その結果、一回のレーザー光の波長掃引でこれらの蒸気特性値が測定できるだけでなく、蒸発速度を高くすると蒸気流の垂直方向並進温度は流れ方向の並進温度に近づくという知見などが得られた。
足立 肇; 小倉 浩一; 柴田 猛順
JAERI-Tech 97-021, 19 Pages, 1997/03
原子法レーザー同位体分離ではレーザー光で共鳴イオン化した目的同位体をイオン回収電極で回収する。実機装置ではその回収量をモニタする必要がある。回収電極板に流れる電流を計測することにより回収されたイオンの総量を求める手法につき、その可能性を実験および解析により検討した。特に電極に回収されるイオンの電流に加えて回収電極表面に誘導される表面電荷による電流の影響を調べた。その結果、光電離生成イオン密度が高ければ誘導電流の割合は小さくほとんど無視でき、電極電流から目的同位体の回収イオンの電荷量を求めることが可能であることがわかった。
相島 幸則*; 池畑 隆*; 真瀬 寛*; 小倉 浩一; 柴田 猛順
JAERI-M 94-056, 11 Pages, 1994/03
レーザーの共鳴イオン化生成ネオジムプラズマから、電極に正負の電圧を印加してイオンを回収した。回収イオンのエネルギーを、負電極側に設けたゲート電極を用いた飛行時間法により、イオン回収の開始時から終了までの任意の時間で測定できるようにした。平行平板電極にV(V)の電圧を印加した場合イオン回収の開始時から終了まで常にイオンのエネルギーがV(eV)になっていることが確認された。今後、本測定手法を細線電圧印加や高周波電圧印加等の効率的イオン回収時の回収イオンエネルギー測定に用いる予定である。
大場 弘則; 西村 昭彦; 小倉 浩一; 柴田 猛順
Review of Scientific Instruments, 65(3), p.657 - 660, 1994/03
被引用回数:16 パーセンタイル:78.08(Instruments & Instrumentation)原子法レーザー同位体分離では電子ビーム加熱で生成した原子ビームにレーザー光を照射して目的同位体のみをイオン化して電極に回収する。原子ビームは蒸発部で発生したプラズマを含んでいるので、このプラズマが回収部に流れ込まないようにする必要がある。ここではガドリニウム原子ビームに含まれるプラズマの除去を、原子ビームに沿って設けた一対の平行平板電極に正あるいは負電圧を印加して行った。高密度蒸発時に除去電極に正電圧を印加するとプラズマは除去できなかった。一方、高い負電圧を印加すると高密度蒸発時でもプラズマは除去できた。プラズマを除去するのに必要な電位を、アース電位のプラズマが電子ビームとともに上方に流れる、プラズマから負電位の除去電極にイオンが引出される、というモデルをたてて推定したところ実験結果と良く一致した。
小倉 浩一; 柴田 猛順
Japanese Journal of Applied Physics, 33(1B), p.L131 - L134, 1994/01
被引用回数:8 パーセンタイル:47.58(Physics, Applied)平行平板電極間のガドリニウム原子をパルス色素レーザー光でイオン化し、これを平行平板電極に印加する静電場により負電極に回収した。このとき負電極に回収されるイオンのエネルギーを飛行時間法で測定した。平行平板電極にVo(V)の電圧を印加すると、初期プラズマ密度が高い場合、電位が正の電極電位と等しいプラズマが残り回収イオンエネルギーはVo(eV)となる。これに対し、初期プラズマ密度が低い場合は電極間の電位は変化せず、回収イオンエネルギーは1/2Vo(eV)となる。初期プラズマ密度を高密度領域から低密度領域に変化させると回収イオンエネルギーは連続的に変化した。変化のはじまる初期プラズマ密度は印加電圧Vo(V)に比例し、この値は簡単な一次元モデルでも容易に推定できることがわかった。
大場 弘則; 荒木 政則; 柴田 猛順
Japanese Journal of Applied Physics, 33(5A), p.L693 - L695, 1994/00
被引用回数:2 パーセンタイル:17.88(Physics, Applied)電子銃るつぼで発生させた原子ビームを原子法レーザー同位体分離の研究に用いているが、原子ビーム密度が100Hzで変動していることを経験している。このため銅の蒸発表面温度の時間変化測定を試み、原子ビーム密度の時間変化との関係を調べた。表面温度は高速度赤外温度計で、原子ビーム密度は四重極型質量分析計で測定した。その結果、蒸発面温度は周期的に変動しており、原子ビーム密度の変動周期と一致していた。さらに両者の変動の割合も一致していた。これは表面温度の時間変化が原子ビーム密度の時間変化を引起こしていることを示している。表面温度の時間変化は電子銃電源の50Hzの変動により、電子ビームスポット径、スポット位置がわずかに変化するために生じると考えられる。
西村 昭彦; 大場 弘則; 柴田 猛順
JAERI-M 93-102, 15 Pages, 1993/05
電子ビーム加熱により発生させたガドリニウム原子ビーム中から散乱した原子フラックスを水晶振動子膜厚計により測定した。蒸発るつぼ上部に設置したスリットにより原子蒸気の中心部を取りだして原子ビームとした。スリットの形状は平行平板型と円筒型のそれぞれの場合を試みた。スリット出口での原子密度は原子法レーザー同位体分離において必要とされる10個/cmオーダーまで増加させた。実験の結果、原子密度の増加に伴い原子ビーム中から散乱してくる原子が増加することがわかった。散乱した原子ビームの分布からイオン回収電極に付着する中性原子の量の評価を行った。ここでの評価法は原子法レーザー同位体分離装置を設計する上で有用である。
田村 浩司; 大場 正規; 有澤 孝
Applied Optics, 32(6), p.987 - 991, 1993/02
被引用回数:4 パーセンタイル:32.52(Optics)斜入射型共振器を用いた、チタンサファイアレーザー(TSL)により、ルビジウムの同位体(Rb,Rb)を選択的に励起、電離した。電離は2波長2段階で行い、選択励起にはTSLの基本波出力(~780nm)を、電離にはYAGレーザーの第3高調波を用いた。TSLの波長を掃引してルビジウムの蛍光、吸収スペクトルを測定したところ、2つの同位体の同位体シフトと、各同位体の超微細構造を分離して検出することができた。2段目レーザーを入射させて、イオンシグナルの波長依存性を測定したところ、各同位体が選択的に電離されていることがわかった。又、2段階のレート方程式により、光イオン化プロセスの解析を行った。これらにより、TSLにより、ルビジウムの同位体分離が可能であることが示された。
丸山 庸一郎; 鈴木 庸氏; 加藤 政明; 大図 章; 杉山 僚; 有澤 孝
Laser Advanced Materials Processing,Vol. 2, p.1251 - 1256, 1992/06
レーザー同位体分離法は、従来の化学分離法などの統計的手法と比べて著しく分離効率が高いという原理的特徴を有している。とりわけ微量同位体の分離にはその効果が大きい。本分離法によって分離するために必要となる基礎分光データ、多段階光電離プロセスなどについて述べた後に大量分離のための工学的諸問題についても述べる。例としてLi,Gd,Rb,Tiなどの分離実験の概説を行う。
小倉 浩一; 有澤 孝; 柴田 猛順
Japanese Journal of Applied Physics, 31(5A), p.1485 - 1490, 1992/05
被引用回数:34 パーセンタイル:82.38(Physics, Applied)原子法レーザー同位体分離では、レーザー誘起プラズマから、イオンをできるだけ速く、低い電圧で回収することが求められている。このため、アース電位の2枚の回収電極間に正電位の細線電極を入れてイオン回収の改良を試みた。ファラデーカップによるイオン信号測定の結果、細線電極に正電圧を印加する方法は2枚の電極に正負電圧を印加する従来法に比べ、同一電圧印加では、短い回収時間でイオン回収ができること、また、一定の時間内にイオンを回収するには低い電圧でよいことを明らかにした。
小倉 浩一; 有澤 孝; 柴田 猛順
真空, 35(3), p.301 - 304, 1992/00
対称電荷交換断面積は大きな値を持つのでプラズマプロセスを利用する多くの分野で重要な役割を演じる。原子法レーザー同位体分離でも電荷交換により目的同位体イオンの損失がおこり効率が低下する。対称電荷交換断面積については、布ガスやアルカリ金属原子に関するものはがほとんどであり、電子構造の複雑な重金属原子に関するものは少ない。ここでは、ガドリニウムの電荷交換によって生成したイオンの量を検出する生成イオン検出法によって電荷交換断面積の測定を行った。
蕪木 英雄; 西村 昭彦; 大場 弘則; 山本 浩康; 柴田 猛順
真空, 34(9), p.718 - 721, 1991/00
原子法レーザー同位体分離のイオン回収過程では、目的同位体の濃縮を効率よく行うためレーザー光照射部の原子ビームの密度を増加させることが考えられている。一方原子ビームの密度を増加すると、中性原子の流れから原子同士の衝突により中性原子が回収板に付着して濃縮度を低下させることが報告されている。ところが、中性原子の付着量をどの様にすれば評価できるかについての報告はなされていない。ここでは回収板に入る原子がすべて回収板に平行に入った場合でも、それが速度分布を持つために、回収板間で原子同士の玉突き衝突が起こり、これにより原子が散乱されて回収板に付着すると考えた。これを直接シミュレーションモンテカルロ法により数値計算を行い回収板への付着量の評価を行った。その結果、原子蒸気密度が10cm程度になると回収板への中性原子の付着量が急激に増大することが明らかになった。
有澤 孝; 柴 是行
レーザー研究, 14(6), p.495 - 507, 1986/00
日本原子力研究所同位体分離研究室においては同位体分離特にウラン濃縮に関して、1976年より原子法レーザー濃縮の研究を行っている。まず1976年には同位体シフトや超微細構造を測定し、ウラン同位体を選択的に励起できることを実証するための選択励起実験装置を製作し、1977年には特定のレベル間の遷移についての選択励起の結果を得た。また1977年には選択励起された同位体原子を電離するためのいわゆる2段階光電離実験装置を製作し、1978年には連続体を利用した2段階光電離による質量分析計規模のイオン分離・回収に成功した。このような一連のレーザーウラン濃縮に関する実験の他にも一般同位体分離についても概観した。
有澤 孝; 丸山 庸一郎; 鈴木 庸氏; 加藤 政明; 成瀬 雄二
JAERI-M 83-124, 30 Pages, 1983/08
レーザー光によりウランの同位体を分離する方法においては、まず、ウラン原子やウラン分子UFを波長可変でライン幅の狭いレーザーにて選択励起し、これらを何らかの方法にて固定することが行われる。こうした原子分子の選択励起が本方法において基本的な過程を明らかとするため分光測定を実施した。U原子については、原子励起実験セルを用いてウラン金属を蒸発させ原子ビームを作りこれに単色性の良いレーザー光を照射することによりウラン原子の蛍光および吸収スペクトルを高い分解能で得ると同時にこれらのデータより吸収断面積も計算した。またパルスレーザー光源を使用することによりその蛍光減衰から励起状態の寿命を求めた。次にUFについては、低温でのラマン分光を行いX-A遷移の吸収特性を測定しバイブロニック状態がプログレッションで生ずることを確認した。
有澤 孝; 加藤 政明; 丸山 庸一郎; 柴 是行
J.Phys.,B, 15, p.1671 - 1682, 1982/00
炭酸ガスレーザーの発振波長に吸収帯を有するジクロロフルオロメタンを利用して多光子解離による水素の同位体分離を行った。その結果、解離特性や同位体分離特性に与える処理圧力の影響、レーザー出力密度の影響および本分子に含まれる塩素同位体の影響などが得られた。またレーザー出力が解離速度に対してしきい値を有することや処理圧力に対する分離係数の低下などについては、軽水素分子、重水素分子おのおのについて得られた2種類のレート方程式群を解くことにより理論的な裏付けを行うことができた。なお分離係数は解離生成物ばかりでなく残留分子中の同位体比からも求め、その解離特性を解明することができた。